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神保町酔いどれ幹事録 (2)

某日の続き。
中野さんとサシで呑むのは久しぶりだ。ペンクラブの幹事会後は必ず呑み会で、中野さんと席がとなりになることもあるのだけど、私も中野さんも湯川師匠の単なるリスナーとなってしまうのでなかなかゆっくり話せない。この日は貴重な日だった。
中野さんは元「近代将棋」編集長で、まだサラリーマンをしていた頃の私は講読していた数ある雑誌の中で、「近代将棋」が最も発売を心待ちにする雑誌だった。発売日、仕事帰りに買うと、すぐ電車の中で読み始めたものだった。一番のお気に入りだった雑誌を仕切っていた人物と知り合え、しかも一緒に呑めるというのは本当に幸せなことだ。私は中野さんと呑むたび、当時連載していた記事のことなどをあれこれと聞くのだ。
この日もそう。「近代将棋」の当時のお話を聞き、その流れで棋界や棋士のこともいろいろと聞く。昭和を感じさせる年季の入ったお店の雰囲気も手伝い、和やかな気持ちになる。壁に貼られているメニューからぽつりぽつりと注文し、私は酒を呑み、中野さんは酒に呑まれる。とってもとってもいい時間だ。
そして星野御大が登場。帽子がカッコいい。
「やぁ星野さん、売り上げ持ってきてくれましたか?」
「いや、呑めるほどの売り上げなかったよ」
そんなやりとりのあと、あらためてカンパイ。御大は最初から熱燗だ。
千代田図書館の古書展から、話題は自然と古本のことに。古本好きの私にとっては、これまたうれしい話を聞ける。
我々の話は尽きず、どんどんお代わりして、神保町の夜は更けていくのだった。

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2013年1月28日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:ブログ

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