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某日日記  その9

夜、浜松町の東京都産業貿易センタービルへ。この日は社団戦の主将会議。昨年も遅れてしまったが、今年も遅れてしまう。どうしても浜松町に7時というのはキツい。およそ一時間遅れで地下の食堂に入室。

委員の方に資料をもらい、遅れたバツの悪さから、小さく屈みながら最もうしろの席に座った。

将棋ペンクラブは万年最下部の、打ち上げ重視チームなので特に要望というものはない。主催者の方針に従うだけで会議は聞く一方。昨年もそうだった。ぼくが着席してすぐ、対局時計についての質問が出されたが、なるほど、たしかに勝負に全力を注ぐチームには大事な問題にちがいない。
そのうち、4部と5部の入れ替え戦の議題になった。このクラスは毎年入れ替え戦を行わないが、今年もそれでいいかということだ。
やはり下位でも入れ替え戦の緊張感は味わってみたい。そのような意見も出て、なんとなく、入れ替え戦をやる手もあるかという雰囲気も出てきた。そこで今西さんが、「おぅい、うしろにいるペンクラブ」とこちらを見る。ヒェー、おとなしくすごさせてくださいよと内心頭を抱えたが、指名されてすっとぼけるわけにもいかず、おどおどと席を立つ。「ペンクラブの意見は?」と今西さん。こりゃダシに使われたなぁと覚悟を決め、我がチームのモットーを会場に伝える。「えー、ウチのチームは成績無視の打ち上げ重視のチームなので、早く酒を呑みたいので入れ替え戦があっても辞退したいというのが…」。そこで今西さんが受ける。そう、こうやってのんびりと楽しんでいるチームも下位にはあるんですよ、と。

その今西さんの進行によって、入れ替え戦は見送る雰囲気に。主催者さんの進行、うまいものだなぁと思いながらぼくは着席した。

会議は滞りなく終了し、最後に今年もブースを借りるのでお願いいたしますと主催の方々に挨拶して会場をあとにする。

まっすぐ帰るのも芸がないと思い、新宿でなじみの『月に吠える』に寄って3杯呑んで帰宅。

 

 

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2013年6月11日 | コメントは受け付けていません。 |

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ノスタルジー の続き

昨日はパ・リーグの会報誌のことを書いたが、この会報には現在のことだけでなく過去の回想の投稿も多い。やはり一つの趣味を長年追っかけてきた者には過去の記憶がたくさん蓄積されていて、それを誰かと共有したいものなのだろう。

そんなファン心理を汲み取って、現在のプロ野球は過去に使っていたユニフォームをよく使用する。実況中継のときかなにかで、レプリカを1軍全員分用意すると1千万円かかると聞いたことがあるが、その当時応援していたファンからするとうれしい演出だ。

将棋ファンも長年見ている人が多いだろうから、なにかノスタルジーを感じさせる演出があれば楽しいところだが、団体競技でないのでむずかしいところだ。ユニフォームもないし、過去の遺産となったチームや球場もない。引退選手もそれほどいないので演出しようがない。

そんななかでCSの囲碁将棋チャンネルがやっている、過去のNHK杯将棋トーナメントの放送は、長年将棋ファンを続けてきた者にはうれしい企画だ。今でもよく話題にのぼる過去の名局が、ダイジェストでなく通しで観られる。正直NHKもよく出したものだと思う。

最近どうも疲れやすいことだし、粋な企画を流してくれている囲碁将棋チャンネルに貢献するためにも、CMでやっている健康サプリでも購入しようかなぁとチラッと思ったりする。

 

 

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2013年6月10日 | コメントは受け付けていません。 |

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ノスタルジー

ぼくが将棋ペンクラブの他にもう一つ入っている、『純パの会』というパ・リーグのマニアックなファンの会。先日その会報が送られてきた。

この会報はペンクラブと同じで投稿で成り立っているのだが、今回最も面白かったのは青梅スタジアム探訪の投稿だった。

東京の西の外れにあるちっぽけなこの球場は、以前、といっても20年ほど前だが、ロッテが練習用に使っていたグラウンドだ。青梅といっても実際には埼玉県との境にあり、青梅線のみならず八高線、西武線のいずれの駅からもとても歩いていけない陸の孤島にある。ぼくは以前に何度か車で行ったことがあるが、球場の周囲は一面お茶畑で、少し離れてガソリンスタンドがあるだけで他に商業施設は何もなかった。今はそのスタンドの近くにコンビニができたが、それでも変化はその程度で、状況は往時とほとんど変わっていない。

この球場はもちろん今も残っているが、かつてプロの選手が使っていたなど到底考えられない規模と設備。その当時のパ・リーグの冴えない状況が分かるというものだ。たとえ20年前だろうが、セ・リーグでは1軍がこんな球場を使うようなことはなかっただろう。

投稿者は現在のこの球場を訪れ、周辺を歩き、さまざまな角度から球場風景を写真におさめている。そしてロッテの状況と重ねながら、球場の歴史を現在に至るまで説明していく。取材は念入りで、選手寮があったロッテ狭山工場まで訪れて写真を撮っている。ぼくは大学時代、この工場の横にあるロッテリアにレタスを運んでいたのでよく知っているが、青梅スタジアムとはまったく離れた場所にあるのだ。稿料の出ない会報誌への投稿原稿でここまでするのは、たいした行動力と言える。

この投稿者の文章はぼく好みの淡々としたもので、その落ち着いた文章がよりノスタルジーを色濃くする。投稿者はその前の号でもファイターズの多摩川グラウンド跡地探訪記を書いていて、文章の組み立てそのものもうまいが、こういった風化されたものを書くのに適した文章ということもあるだろう。

今後もこの人の投稿記事を読みたいな。それも、こういった探訪物で。そんな気持ちにさせられる投稿だ。それにしても文章のうまい人というのはいろいろなところにいるものだと、あらためて思うのだった。

 

 

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2013年6月9日 | コメントは受け付けていません。 |

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某日日記  その8

夕飯を兼ねて、なじみにしている近所の居酒屋に。

Mさ来という、いやいや伏字にする意味がないか、えっと、村さ来というチェーン店だ。ここ、チェーン店なのにメニューが個人店以上に充実している隠れた名店だ。ぼくは味覚に鈍感なのだが、連れて行く友人がことごとく絶賛するので名店であることは間違いない、と思う。
このお店のホール担当Mさんは将棋好きで、すいているときは将棋の話をする。店内をぐるっと回るときにぼくの席で立ち止まり、ちょこっと話す。そしてまたぐるっと回り、ぼくの席でちょこっと。その繰り返し。その間合いがなんとも味があって、気に入っている。もちろんぼくが友人と一緒のときは話してこないが、ぼく一人か妻と一緒のときはちょくちょく立ち止まって話す。ぼくの妻が行方ファンということを知っているので、この前は「NHK杯勝ってよかったじゃん」というのが第一声だった。チェーンの居酒屋で第一声がNHK杯将棋トーナメントの内容というのは、なかなかないのではないだろうか。

Mさんはしばらく前、東京将棋会館に通っていたということだ。今とシステムが違っていて、当時のことを聞くのが楽しい。ポイントを集めるとプロと指導対局できるということで、一時期ポイント集めに夢中になっていたということだ。

訪れた晩はすいていたのでたっぷり将棋の話ができた。できれば週イチくらいで通いたいものだとホッピーを呑みながら思う。
 

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2013年6月8日 | コメントは受け付けていません。 |

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(最終選考委員の本)  八丈島のロックンロール

関東交流会の懇親会で木村会長に挨拶する。ぼくは幹事になる前、というより将棋ペンクラブに入会する前から木村センセイのファンだったのだ。ぼくが大学時代、母校でセンセイが悪徳商法の講演会を行ったときは、悪徳商法になんの興味もないのに数時間前から並んでいたほどだ。しかし講演30分前までは、並んでいるのはぼく一人だけだった。
 

「ところでセンセイ、つい先日これを手に入れました!」

ぼくは将棋会館の4階で、ジャケットの内ポケットから木村会長の『八丈島のロックンロール』を出した。

「おー、懐かしい。これ、最初に書いた本だよ」

と、会長は手に取ってパラパラとめくった。
「あれっ、会長、『木村弁護士が駆けてゆく』の方が先では?」

「出版はね。でも書いたのはこれの方が先だよ」
と、内実を明かしてくれる。人が聞いてもなんでもない話だろうが、なにぶんぼくは学生の頃からの木村センセイファン。こんな重要なことをご本人から聞けるとは、実にうれしい。これだけで交流会の参加費の元は取れた。

『八丈島のロックンロール』には写真が載っていて、若き頃の木村会長が写っている。本当はサインをもらいたいところだったが、恥ずかしいのでそれはやめておいた。しかし今度の最終選考会でお願いしようかな、と思っている。

 

 

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2013年6月7日 | コメントは受け付けていません。 |

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関東交流会での対局  第4局

4局目はとん楽師匠と。ぼくが四間飛車で師匠が急戦。ちょっと前までは見回すとこのカタチばかりだったが、最近はとんと見かけなくなった。ついでに言うと、「とんと」という言い回しも聞かれなくなった。年寄りっぽい響きだからだろうか。

となりには幹事の森さんと木村会長が座る。そちらの方は会長の中飛車。

とん楽師匠に見落としがあり、駒得のうえ大駒が成りこめる。それでも師匠、小駒でじわじわ攻めてくる。先ほど逆転されたのを思い出し、がっちりと受ける。師匠、「友達をなくす手だね」。「いえいえ、もともと友達がいないので大丈夫です」とぼく。

なんとなく寄り筋が見えてきたが、寄せていくと、するすると上部に逃げられる。またやっちゃったかと思ったが、馬筋が伸びていて、なんとか詰ます。序盤の優勢が生かしきれない、危ない勝利だった。
となりの森さんと会長は何番も指していた。すべて中飛車。

 

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2013年6月6日 | コメントは受け付けていません。 |

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関東交流会での対局  第3局

3局目はお昼ご飯を食べてから、会員の堅固さんと。堅固さんは神保町で行っている将棋会や、社団戦のペンクラブチームでの仲間。しかし同じチームで痛くない腹をさぐり合うのもどうかということで、これまでほとんど対局したことがない。こんなに顔を合わせているのに、意外にも3年前の交流会以来の対局だ。そのときは堅固さんに受けきられた。

さて対局。こちらが振ると、対抗形が嫌いな堅固さんは相振りに。こちらのスキに、堅固さんが少し悩んだあと大駒を切って一気に攻め込む。こちらは駒得なのだが、と金と金駒で上部をふさがれて攻め潰されそう。しかしここで玉さえ逃げられれば、今度はラクに勝てそうだ。

ともかく受ける。攻め駒に当てたり、角を遠くから利かせたり。次第に堅固さんの攻め駒が減っていき、なんとか上部に逃げられそうな展開に。それにしても実に疲れる将棋。一発飛車をおろした以外、攻める手は一切なし。玉ばかり触っている感じだ。

堅固さんがかろうじて上部を塞ぎ、また押し戻される。じわじわと攻められ、振り飛車だったのに玉は9八に。しかしいくつか指した攻めの手が生きて、最後は勝ちを拾った。じっくりと、2時間近く指してしまったのだった。
 

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2013年6月5日 | コメントは受け付けていません。 |

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関東交流会での対局  第2局

2局目は続けて星野御大と。いつものように穴熊に潜り込もうとする御大に、なんとか阻止しようとするぼく。

御大、このまま囲っていると潰されちゃうと判断して穴熊を放棄。こちらは突っかかりすぎたが、本来の目的は遂げてとりあえず満足。薄い囲い同士の戦いに、こちらの攻めがなんとか繋がり優勢に。しかしこのままいかないのがヘボ将棋の味わい深いところ。勝手に転んで敗勢に。うしろで逆転の恵子さんが苦笑い。この人が社団戦のまとめ役で大丈夫なんだろうかという表情だ。ハイすみません。でも負けて呑む酒もなかなかいいモンですよ。

星野御大、緩むことなくきっちりと詰ませる。うーん、完敗です。今度はこちらが先手番ですよ。

御大との将棋はいつも感想戦がなく、ぼくはおにぎりを取りに、すぐ席を立ってしまったのだった。
 

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2013年6月4日 | コメントは受け付けていません。 |

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某日日記  その7

『某日日記 その3』以降、夏用のズボンを買わなければと気にしながら生活していた。
人間、カレーが食べたいと思うとカレーが頭から離れなくなるように、ズボンのローテーションが少ないと感じるとそれが頭から離れなくなるものだ。

その思いが引き付けたのか、たまたま通った道に服屋が。しかも5月の末で閉店ということで全品3割引きという。その日はまさしく5月31日。まぁこう書くと某日ではなくなってしまうのだが、それはともかくさっそく入店してみた。

店内は旧ソ連のスーパーマーケットを思わせるような品揃え。あちこちの棚がむきだしで、ハンガーに服はまばら。それでも広いお店なので、品数はけっこうある。ぼくはいくつか試着して、スソ上げの必要ないものを2着選んでレジに向かった。

この日で閉店を迎える店主に、そっとズボンを渡した。

ぼくはレジカウンターに積まれているポイントカードをじっと見た。これはもう、明日からは世の中の不用品だ。店主はそんなぼくの視線に気付き、「ポイントカードはご必要でしょうか?」と笑いながら言った。曖昧に笑い返すと、店主は「なんなら全部どうぞ」と続けた。
「じゃあ全部もらって、またあとで来ようかな」とぼく。「いえ、発行当日はご使用できませんので」と店主。「フフフ」とぼく。ニコッと店主。でも眼鏡ごしの目が微妙にじんわりと…。

そんな、ちょいとさびしい感じのやりとりを頭の中に浮かべながら、ぼくは黙ってお金を払い、黙って商品を受けとり、店を出たのだった。

ズボンはなかなかの履き心地なのだった。

 

 

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2013年6月3日 | コメントは受け付けていません。 |

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交流会ところどころ・かんなのなんか

関東交流会、今年も大盛況のうちに終えることができました。参加して下さったみなさま、そしてご協力下さったみなさま、本当にありがとうございました。

今年の交流会は駒桜のイベントと重なってしまいまして、例年お見えの方も何人かそちらに行かれたようでしたが、何とイベントの前に鈴木環那女流二段が来て下さいました。さっそく色紙をお願いする私たち。

落款を新調されたそうです。

素敵な字ですね。

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2013年6月1日 | コメントは受け付けていません。 |

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