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10番目の男

現在将棋ペンクラブの幹事は11人で、ここ数年変動なし。みなさん仕事が忙しくなっていないからでしょうかねぇ。いえいえモノゴトはいい方に考えないと。みんなが健康を保っているから変動がないということでしょう。「便りのないのはいい便り」ではありませんが、「動きのないのはいい動き」と、こう考えますです。
ぼくは新参者のクチで、幹事になった順でいくと9番目。ファイルナンバー9、というところですね。

で、ファイルナンバー10が、このブログによく出てくる中野さん。中野さんは元『近代将棋』誌編集長で棋界に顔が広く、多くの棋士の方々ともお知り合いです。ぼくの数ヶ月後の幹事入りでファイルナンバーこそひとつ下ですが、中野さんはぼくと違って招待選手のような扱いです。畏れ多くて最初は話しかけられませんでした。

それから少しして関東交流会があり、受付で中野さんと隣り合って座りました。中野さんはひどい花粉症で必ずマスクをしているので自分からはあまり話しません。今でこそ、「花粉症に酒はいけないみたいですよぉ」などと軽口を叩けるようになりましたが、その頃はまだ畏れ多く感じていたので、こちらからも話しかけませんでした。

しかし同じ幹事のこと、その後打ち上げの席などで言葉を交わす機会がでてきました。そこで中野さんの和やかな雰囲気を知ることになります。重鎮といった感じはなく、ぼくなどにものんびりと話してくれます。どうも先入観で、話しづらいイメージをぼくの方が作り上げてしまったみたいでした。

それからは中野さんとお話しするのが楽しく、打ち上げで近くに座ったり、お誘いして呑みに行ったりするようになりました。なにしろ発売日を心待ちにしていた雑誌の編集長だった方です。『近代将棋』のことを聞いても、中野さんは終始にこやかに話をしてくれるのでした。

今はいろんな話をしますが、最初の頃は当然ながら将棋の話が話題の大半を占めました。で、ベタですが「中野さんがいつもやる戦法はなんですか?」と訊きました。将棋好きの会話での取っ掛かりは、やはりこの質問です。すると中野さん、「リャンウッパー(2、5、8)です」という不思議な答え。はて、ぼくは将棋の質問をしたつもりだったが、マージャンの答えが返ってきたぞ。ぼくは首を捻りました。しかしマージャンにしても、リャンウッパー待ちというのが戦法とはヘンな話です。3面待ちにこだわってたら上がれる手も上がれなくなってしまいます。そこでお答えの意味を尋ねると、居飛車、中飛車、向かい飛車という意味だったのです。なぁるほど。ぼくは納得しました。江戸っ子風の、粋な答えだったのです。

穏やかでいながら、シャレた言い回しで場を盛り上げる中野さん。今年の関東交流会でも隣に座らせていただこうと思っております。
 

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2013年5月3日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:ブログ

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