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(将棋の方の)雑記  3ちゃん12ちゃん

子どもの頃、3チャンネルと12チャンネルが嫌いだった。
  
東京では3チャンは『NHK教育』で12チャンは『東京12チャンネル』。前者はしちっ固くて難しくて、後者はダサくて華やかさがない。だから子どもにとって魅力がなく、学校での友達との話題にも上がらない。思い返してみるに小さかった頃に観た記憶があるのは、3チャンが風邪で休んだときの午前中(「できるかな」や「はたらくおじさん」)、それと12チャンが「チキチキマシーン猛レース」。たったそれくらいなのだ。
 
それが将棋に凝るようになると一転する。3チャンのNHK杯に12チャンの早指し選手権。棋戦を流してくれるありがたいテレビ局ということで自身の中で価値観が大幅アップ。他の民放より個性的で面白いじゃないかと、つられて他の番組も観るようになる。自分でも勝手だなぁと呆れてしまうが、しかし一気に重要なチャンネルになったのだった。他はなくともそのチャンネルだけあれば充分、なんて思ったりもした。
やはり好きなものはテレビで観たいというのが視聴者の気持ちで、それを流してくれれば贔屓もしてしまうというものだ。
 
しかしその点で言うと、子どもの頃にだって3チャンと12チャンを好きになるチャンスは一度あった。小、中学生のときは釣りが一番の趣味だったのだが、その2つのチャンネルでだけ、釣り番組をやっていたのだ。
テレビでやってくれるのは釣り好きとして実にありがたいのだが、しかしその番組構成が受け入れられず、結局、より3チャンと12チャンが嫌いになってしまった。
 
3チャンの方はぼくが小学生のときにスタートした、「釣り専科」という番組で、専科というからこれはしょうがないのかもしれないが、まるで授業のような番組だったのだ。第1回は釣竿やウキなど、スタジオでの道具の説明。当時学校には釣りクラブがあって、釣り番組がスタートするということで楽しみに話し合っていたのだが、放送翌日、みんな観たはずなのにだれ一人話題に上げず。楽しみにしていた反動でがっかりの度合いが強く、話す気もなくなったのだろう。ぼくはたしか2、3回で観るのをやめてしまった記憶がある。いや、1回だけだったか…。
 
12チャンの方は、実際に現場で釣っている映像プラス魚拓ベスト5などの企画など、見応えがあって毎週楽しみにしていた。しかしあるとき新人アイドルの釣り大会という企画があってから観なくなってしまった。常設釣り場でマニュキア、ハイヒール。日本は八百万の神様だから釣りの神様もいるだろうが、きっとその神様が観たら憤慨するような内容だった。当時のぼくは憤慨ではなく激怒で、「釣りだぞ、釣り!」とか言いながらテレビを消してしまった記憶がかすかながらある。
 
しかし固すぎてもダメ、やわらかすぎてもダメ、自分の描いた構成しか受け入れずという子ども時代の一途さ、というか頑なさ、振り返るとちょっと怖いと感じたりもする。
 
今のNHK将棋講座はあか抜けていて面白い。毎週楽しく観ているが、自分勝手なもので、当時のあの子どもにそっぽを向かせるような番組構成が懐かしいなと感じたりするのだった。
 

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2013年5月1日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:ブログ

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